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加工した部材をアッセンブリして組み立てる製品があります。その場合には溶接、リベット打ち、ボルトナット締めなどを施して組み上げて完成させます。ここでは「付ける」、「組み付ける」、「組立」をキーワードとした溶接技術についてご紹介をします。

 

溶接加工

鉄、ステンレス、アルミなど、造るモノや素材により、アルゴン溶接、CO2溶接、アーク溶接、TIG溶接、YAG溶接などからより良い溶接方法を選択しています。ロボット自動溶接機で同じ製品を多数造ることもあります。

板厚1.6、2.3mmの薄い鉄プレートどうしの溶接。厚さの異なるステンレス板の溶接。角パイプとLアングル。角パイプどうし。LアングルとLアングル。縞板とLアングル。20mmの鉄板と鋼管など、多様な材料の組み合わせで溶接加工しています。

板厚1.0mmのSUS304-2B材をTIG溶接した手の平に載るような小さな製品もあれば、板厚9mmから12mmの鉄板とLアングルを溶接した製品でトレーラー運搬が必要な大きなモノまで溶接加工しています。

点付けでピッチ溶接する細かな作業を要するステンレス製品もあれば、アーク溶接で厚い鉄板と大きな断面のH鋼やLアングル等の鉄骨材をバリバリ溶接してゆく製品もあります。

溶接後の処理としましてスパッター削除や酸洗い(コゲ取り)処理をして後工程(塗装やメッキ)に渡します。

アッセンブリということで、空調関連製品を例に挙げますと、製品の骨となる湾曲加工させたLアングル部材等を溶接し、さらにその上に湾曲させた鋼板を溶接した後、鉄の網を溶接した製品が左の写真です。この例のように剛性を高める必要がある場合は骨を入れますが、SPCCやガルバリウム鋼板のみで完成させる製品もあります。

溶接後は塗装仕上げやドブメッキを施す場合もありますし、メッキ鋼板で製作して仕上げ無しの場合もあります。作り方や仕上げは、製品が取り付く場所により、またお客様の要望により変化します。空調製品が屋内外または一般住宅か工場使用であるか、などの違いにより、素材や造りが異なります。

 

ステンレス溶接

ステンレス板をカット及び穴開け及び曲げ加工した後に各パーツを溶接組立する製品も数多く製作しています。以下の製品はステンレス板を溶接して作っていますが、上面板と側面板の厚さが異なっています。1.0mmと2.5mmのステンレス板はTIGでピッチ溶接してあります。

 

各部材を溶接する前にはさまざまな加工を経て溶接工程に入ります。以下の製品もステンレス製品ですが、タレットパンチ、ベンディング加工の後に溶接。目の大きいステンレス網を溶接して完成させた製品ですが、溶接以外にもタップを切ってネジ山を作ったりと、多くの工程を経ています。

加工しているステンレス素材としましては、0.3mmから6.0mmのSUS-304やSUS-430板材、各種厚みのFB(ステンレスフラットーバー)、各種サイズのステンレスLアングル(ホット材・コールド材)などがあります。ご要望に応じた素材でご指定の設計(組み立て方法)にて製作しています。

 

リベット留め

薄い鋼板は溶接することで穴が開いてしまう場合があります。0.5mmのガルバリウム鋼板で箱を作りたいというご要望を満たすには溶接ではなくリベット打ちで材料をつないで部材を組み上げていきます。

板厚にもよりますが、0.5、0.8、1.2、1.6、2.3mmの薄い鋼板でしたら、リベット留めは溶接接合と同等の剛性を持たせることができます。溶接の方が強そうに思えますがリベット留めでも十分強さがあります。

薄い鋼板の箱を作ることが多々あります。TIG溶接である程度薄い鋼板の溶接はできます。薄い鋼板の溶接の可否は、鋼板の板厚によって、また製品にもよります。0.5mm、0.8mmの鋼板はリベット留めで組み上げていく製品が多くあります。

 

アッセンブリ:樹脂・プラスチック・ガラス・グラスウール・配線

金属製の単品部材を作るだけでなく、あらゆる素材の部材を利用してひとつの完成品に組み上げる場合が多くあります。

産業用扉を製作する場合、扉の用途によって作り方はさまざまです。防音、断熱機能を持った扉の場合、グラスウールを充填する必要がありますし、框(かまち)に樹脂部材を取り付けたりもします。透明な樹脂板を切断してのぞき窓を作る場合もあります。

木製の板に加工した金属製品を取り付けることもあります。金属部材のみの製作を請け負う場合もありますし、その金属部材と金属以外の部材をアッセンブリして完成品に組み上げることを請け負う場合もあります。

防音ブースの製作や照明器具付き屋根部材を製作する際には配線コードの取り付けや、ファンボックス等の電設部材を製作する場合もあります。特殊な板ガラスを組み込んだ金属パネルなど、製作している単体だけをご覧になっただけでは「竜洋は何屋さんなのだろう」と思われてしまう製品を製作していることも竜洋の特徴のひとつです。

製作する製品は食品業界、医療業界、自動車業界、建築業界、建設業界、農業業界、重電業界、家電業界など、関係する業界は多岐に渡ります。しかし、竜洋は金属板金加工工場です。組み付けを請け負っていますが「薄物板金加工製品」の製造があってのアッセンブリです。組み立てのみの作業は請けていません。

 

塗装

竜洋工場には塗装工場があります。浸漬式地下処理の焼付塗装ブースです。

アクリル、フッ素など180度の焼付塗装を行います。長さ4m、高さ2mまでの製品を処理できますが、大きなモノの塗装や溶融亜鉛メッキ仕上げ(ドブメッキ)は協力会社にお願いしています。錆留め塗装や下地塗装も塗装工場で処理しています。

塗装色につきましては、日塗工番号(JPMA 一般社団法人日本塗料工業会)での指定、またはマンセル値(三属性/色相・明度・彩度)を指定していただき、艶の指定(3分・5分・7分)や塗り方(1回塗り、2度塗り等)を指示していただいて塗装しています。

※ 塗装のみ、製品持ち込みによる塗装のご依頼はお請けしていません。